まずはIKEAの家具アプリのデモをご覧ください。
実寸代の家具を部屋に配置
IKEAのアプリでは2000種類にも及ぶ家具の3Dデータを実際に自分の部屋に配置してシミュレーションができるようになっています。サイズも商品と同じ実寸代で設定されているため、部屋においた時のイメージを明確に把握することができます。
さらにはARKitが持つ光を調整する機能によって、まるで本物がそこにあるかのように(まだ3Dデータとしてのデジタル感は残るものの)試すことができるようになっています。
平面をスキャンすることで位置を特定できるため、一度家具を配置すれば、スマートフォンを動かしたとしても3Dデータが動くことはないため、距離や角度を変ながらよりリアルな形で検証できるようになっています。家具を購入して部屋においた時に起こる「なんか違う感」を防ぐ素晴らしいアプリです。こうした実用的なARの機能にiPhoneが対応する。これはすごいことです。
圧倒的なユーザー数と利便性
世界中のデベロッパーが関心を寄せているであろうARKit。VRとの違いは何と言っても潜在的なユーザー数の多さです。VRもスマホで頼むことができますが、そのユーザー数はヘッドセットやゴーグルを持つユーザーに限定されていました。
今回iOS11のアップデートが完了すれば、実質上、iPhoneユーザーの多くがARのユーザーとなり、その数は一瞬でVRの人口を越えることになるかもしれません。(サムスンも年内にARへの対応を発表しています)
さらに注目すべきはこれまでのARと比べて格段に進化した機能です。これまでのARでは、コンテンツを表示する場合、位置情報やマーカーといった、なんらかのトリガーが必要でした。今回のARKitには、平面をスキャンして、そこをいわば”ステージ”として認識し、ユーザーが好きな場所に好きなようにコンテンツを配置できるようになりました。今回の家具アプリにおいて、この進化は大いなる効果を発揮していると言えるでしょう。
こちらの記事でも紹介しましたが、すでに多くのデベロッパーがARKitを使って素晴らしいアプリを開発し、デモムービーを公開しています。私たちの生活に「ほとんど現実に近い」だけじゃなく、「信じられないくらいに便利な」ARがやってこようとしています。